グラン・トリノ

クリント・イーストウッド監督・主演 
この映画でクリント・イーストウッドは俳優業最後にすると明言している。

あらすじは、息子にも愛想を疲れる偏屈で頑固でアメリカ主義で朝鮮戦争帰りの主人公クリント・イーストウッドが、隣人のモン族との交流を通じ、自らの先入観や価値観、偏見を改めていくというもの。

ありきたりなストーリーでありながら、押しつけがましくない伏線や、必然な役者の配置(牧師など)、アジア系とアメリカ主義の対立を車で表現する演出の細やかさ、など、自然と心に入ってくる。

父のいないタオに対する男の尊厳を教え、自身は朝鮮戦争で17才の子供を殺した罪に悩まされ、それを全てひっくるめて解決するラスト。クリント・イーストウッド映画にハズレ無しを見事に実証した希有の名作。

罪とは男の最後とは未来への希望とは などを常に考えている人ほど見て欲しい